いきものなる妙なもの

いきものという装置

この世がマルチバースであるなどの発想は今や人口に膾炙するまで進展したが、 それに呼応するように、太古よりそんな厄介な環境に対処し、結果を出し続けているいきものという装置は、今や古くて最新のヒントを含む激アツアイテムになっていないだろうか

その在り様とは、

  • 必要なものは作る、その辺から取ってくる
  • 忘れる、捨てる、沢山持てない

記憶システムとか代謝システムとか発明とか JavaScript の開発環境とか

綱をたぐり寄せるようにしてどこかへ向かって移動していき、すべてを包括したりひとところに留まることがない

「無駄を省く」が通用しないいきもの

  • 無駄を省く、効率化しよう
    👉 機械とか数理とかビジネスの発想

定量のリソースを前提として、無駄を省けばスループットが増えるじゃないかという考え方で、確かに説得力がある

  • 生き物が無駄を省く
    👉 「衰える」という落とし穴がある

使わない肉体や頭脳や能力が衰えて、まるで世界そのものが縮んで灰色になるかのよう *1
余力を残して待機する機械では通常想定しない特性

一見無駄なようなことを続けるとある意味可能性が増大する生物界の厄介な特性
できることが増えていき、その流れで一定の能力セットが揃うと飛躍するまである

無駄に思えることもやり続けると新天地が発掘され得る世界

生き物の世界は物理のように透明で閉じていない
開けたポテンシャルの海を小さな体で自由な発想で泳ぎ渡るかのよう

生物が進化して五感を獲得すると、
新たなセンシングやそれらの組み合わせで見える世界が変わる
判断や行動も変わり、スループットは異次元へと爆発する *2

睡眠時間が無駄だ、人生の三分の一を無駄にしているという考え方もある一方で、
寝なければ二週間耐たないシステムを80年以上耐たせてくれるありがたい時間ともいえる。それだけ耐てば社会・文明も築けよう

毎日一時間サイクリングするとか読書するとかしんどくても決行し続けると、一年で365時間が別の重要なことに使えなくなったというより、頭の回転が速くなったり、肥満が解消されたり、精神が安定したり、むしろスループットが増える可能性がある

体力がつき、より活動時間も増え、趣味が広がり、知見が増え、多角的な考えや視点という能力がつくられる

ネテロ会長の一見無駄な祈りの所作が無敵の攻撃を成しているというのは、
冨樫先生による、理に対する生物の妙の天才的表現ではないかと疑っている(キリッ)

尻論

この世は人が観測して、人が機械を生み出して、人がビジネスをしている
人の作るものはどうしても人に似てその特性を帯びてしまう気がしている(唐突)

というわけで、新しいモノのクリエイトの原動力とか種として、せいぶつ的なふるまい(使い捨ててよいとか忘れてよいとか使い続けることとか)によせると人の世にうまくハマって回し続けやすくならないだろうか

*1:この世も無駄を省き続ける=投資やお賃金を削りまくると灰色の世界が見えてくる

*2:これはアルゴリズムとは異質な気がする、あるいはアルゴリズムの別の表現になっているかもしれない