ゴム人間

年一更新を目指して鋭意奮闘中です。
タイトルは人間ゴムといってもいいけど、人間てゴムみたいなもんだなと最近考える。肉体はまさにそうだし、見えにくいけど意識というか頭の働きはもっとそうであるような気がする。
肉体は物理的な条件に支配されていて分かりやすい。例えば、高いところに手を伸ばすと体はぴーんと張りつめる。ぎりぎり届かないところに手を伸ばしているのは不安定で無防備だ。そんな姿勢のまま100メートル走してみよう。ほら、いろんな意味で怪我をしてしまう。
プロジェクトのたちあげのような気の抜けない仕事にかかっていると、細心の注意を払い万全を期し日々過ごすことになる。すると日を経るにつれ、当たり前のように出来ていた作業が緩慢になり、ものを思い出せなくなったりして、だんだんと頭の働きが鈍くなってくる。この変化は、会話とか発想とか頭脳の瞬発力が必要なものに差し障りとして現れてくる。
全体のパフォーマンスの多くを一つの目的のために割いたままでいると、他の機能がとっても残念な状態に陥いるし、その一つの目的自体のパフォーマンスだっていずれ落ちてくる。
昔、テレビ番組で糸井重里が羽生義治を迎えて、羽生さんてそうやってバランスとってるんですねみたいな話をしていた。将棋以外で思わず夢中になる何々という内容だった。TAMARUさんは、神経が張りつめた状態を続けると伸びきったゴムのようになると言っていた。一つのことに集中し続けてパフォーマンスを維持することは長期的に見ても難しいということだと思う。
ところで、溜めこんだものを発散すべしといわれるが、自分はその発想だとピンとこず仕事を続けてしまう。一般的にいわれる発散のためのレクリエーションに興味が持てないし、仕事の方が面白くて楽しいから。でもそれとは別軸で、張りつめたもの、伸びきったものを一旦もとに戻せということなら、レクリエーションも必要だと納得できる。肉体なら当たり前に分かることが頭脳の世界ではよく見えず、はまってしまう気がした。
神経を張りつめさせるものをいっとき完全に忘れさせてしまう何か。例えば、趣味だとか恋人だとかパワースポットはそのようにして人のパフォーマンス能力を回復させるのかなと思った。