眼科がこちらの方にあるため田舎から我が家にきている祖父が、家の中で手持ち無沙汰しているので100円ショップで頭の体操シリーズ「知恵の輪」を買ってきた。これが家族で大はやり。みんな真剣な顔をしてワッカに取り組んでいる。
休みの日なんか、朝ごはんの時にじゃらじゃら金属のワッカをとって触り始めたら、気がつくとお昼ご飯の時間になっていたこともあったほどw
シリーズの知恵の輪には初級、中級、上級とあって、それぞれ種類の異なる難しさを備えている。初級〜上級もいいけれど、シンプル〜複雑という分類でもいいんじゃないかと思う。シンプルだからといって必ずしもイージーではないところがみそ。どのレベルでも、いじっていたらなんとか外せる難しさで、外したら今度はくっつけるミッションがあり、1回外すくっつけるが成功したらもう攻略済みかというとそうでもないところが面白い。
初級タイプはこんな特徴がある。
- ワッカが太い
- 構造がシンプル
- すぐ外せそうに見える
上級タイプはこんな具合。
- ワッカが細い
- 構造が複雑
- とても外せそうには見えない
共通項は
- 一筋縄では外れない
初級タイプが厄介なのはすぐ外せそうに見えること。実際外すためには1つのポイントをクリアすればよく、外れる時はあっけなく外れる。しかし、外れる道筋は巧妙に制限されており、見た目で把握できる形をしていないため、簡単に見えることが逆に正解にたどり着きにくく作用する。このため、一旦クリアして次なめてかかると全然外れないということがある。ねじれとか回転がキーポイントのようである。
上級タイプは逆に外せそうに見えないところが厄介といえそう。実は、局所局所でいくつかのポイントを一つずつクリアすればよく、見た目ほどではないのだが、全体がいかつくて試行錯誤を続けるモチベーションを保ちにくい。ただ、一度外してくっつけると、次にも迷うということがあまり無いように思う。
中級のもので面白いのがあった。複雑なものは、そうか分割統治すればいいんだなと思っていたら、解法のポイントを論理的に分割したとたん二進も三進もいかなくなる。どの一つのポイントとして、個別に処理できない構造だった。結局クリアしてみて分かったのは、分割された解法のポイントは全部同時平行で処理する必要があったということ。それはもう見事に分割統治の矛盾が解消されて、発見した時は頭の斜め後辺りをハンマーでピコン!された気分だった。
いくつかのポイントを組み合せた複雑なものは物理的には外れにくいが、個々のポイントは構造の制限上単純化しており、解法を論理的に掌握されやくなって知恵の輪としては堅くて脆い*1。たった一つの練りこまれたポイントで出来たシンプルなものは、物理的には少ないエネルギーで外れてしまうが、構造の実体が見えにくくて知恵の輪としては粘り強い。
これは物体の三次元構造を使った単なるパズルなんだけど、何か現実の問題の比喩になっているような気がしてならない。そんな風に考えてもいいし、考えなくてもいいことだと理性では分かる。でも、そう考えないではいられないものがある。
*1:このシリーズに限ってかもしれない。もっといろんな知恵の輪を触ってみたい!